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2012.10.13 福島第一原発事故現場にやっとカメラが入り、埼玉県では西部の秩父山地の野生キノコからセシウム検出と発表された・・。
 
                *1の記事より

 *1のように、福島第一原発で格納容器内に特殊カメラを入れて調査した結果、1号機で最大9800ミリシーベルトと極めて高い数値が計測されたそうだが、木星からでも画像を送ってくる時代に、1年7カ月後の今頃やっと、事故現場にカメラが入って調査できたというのがおかしい。もちろん、調査の結果は、1~3号機までメルトダウンし、下のコンクリートに達しているから、地震と溶融核燃料の影響で、下のコンクリートも損傷して放射性物質が水に溶けて海に漏れ出している可能性が高い。

 このような事故の結果、*2のように、福島第一原発から200km以上離れた埼玉県秩父市の山林で、事故から1年7カ月後の2012年10月9日に採れた野生キノコから、1kg当たり110ベクレルの放射性セシウムが検出されたそうだ。秩父山地は、埼玉県の西側に位置するため、ここでさえ汚染されているようであれば、埼玉県全域が汚染されていると考えてもおかしくないし、秩父山地は水源だから深刻だ。

 このように、福島第一原発事故では、首都圏も汚染され、首都圏の農作物にも被害を与えている。近くの川や海の魚は大丈夫なのだろうか。埼玉県の農産物も美味しいのだが、放射性物質の検査が杜撰であるため、これ以上の内部被曝・低線量被曝を避けるには、産地により食品を選択するほかなくなり、消費者はもとより、農林漁業に打撃となる。そして、これが、原発事故なのである。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/condition/list/CK2012101302000163.html  (東京新聞 2012年10月13日) 【福島第一原発の現状】格納容器内 最大9800ミリシーベルト 1号機 特殊カメラなど入れ調査
(ポイント)今週(六日~十二日)の福島第一原発では、1号機の格納容器内部の調査があった。放射線量は容器内につながる配管で毎時一万一一〇〇ミリシーベルト、内部で最大同九八〇〇ミリシーベルトと極めて高い数値が計測された。人間が四十分間浴びると確実に死亡する値。あらためて今後の廃炉作業の厳しさを示した。東電は九、十の両日、広範囲をゆがみなく撮影できる特殊カメラや線量計などを入れて内部を調べた。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20121013/CK2012101302000110.html (東京新聞 2012年10月13日) 皆野のサクラシメジ 国基準値超え出荷自粛要請
(ポイント)埼玉県は十二日、皆野町の山林で九日に採れた野生キノコのサクラシメジから、国の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える一一〇ベクレルの放射性セシウムが検出された、と発表した。県は、町とJAちちぶ(秩父市)に対し、町内の野生キノコ全種類の出荷・販売自粛を要請した。本年産の野生キノコで基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは、九月末に横瀬町で採れたウズハツ以来。

| 原発::2012.9~10 | 10:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.10.13 iPS細胞は、再生医療に適しているのか?(「再生医療=iPS細胞」ではないこと)
 京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞されたのは大変おめでたいことだが、*1で本人もおっしゃっているとおり、iPS細胞の利用は最終的な形ではなく、体の中でその人自身の再生能力で再生するという流れに変わると、私も思う。iPS細胞は、正常な細胞に別のDNAを加えて細胞の初期化を行うため、細胞が元のものとは変り、癌化する可能性もあり、あまり安全とは言えないからだ。(*3参照)

 例を挙げれば、*2で、森口尚史氏がiPS細胞を心臓治療に使ったと言っているが、心臓治療であれば、本人の足の筋肉を増殖させて心臓治療に使い、すでに成功例があった。足の筋肉細胞の方がiPS細胞より優れている理由は、iPS細胞は、細胞を初期化するために、もともとなかったDNAを加えているため癌化する可能性があるが、本人の足の筋肉細胞であれば本人と全く同じ細胞であるため、癌化しないからである。そのほか、身体のいろいろな部分に幹細胞が存在し、造血幹細胞移植や脂肪幹細胞移植などが再生医療として研究されており、免疫細胞による癌治療も始まった。

 そのため、すでに外国で認められた「再生医療=iPS細胞=山中教授」という1ルートだけに注目して、そこのみに多額の研究予算をつけるのではなく、今後の可能性がある研究を見抜いて、それぞれに研究予算をつける必要がある。しかし、予算をつける担当者には基礎研究の可能性や将来的展望を見抜く能力はないのが通常であり、これが問題であるため、これを解決して研究者を支えるべきである。なお、わが国の基礎研究者は、外国で名を挙げれば日本でも認められるが、先に日本で認められてよい研究環境を与えられ、成果に結びつくことが少ないのも問題である。

*1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/328717  (西日本新聞 2012年10月12日) iPS細胞「過渡的なもの」 再生医療で山中教授
 ノーベル医学生理学賞が決まった京都大の山中伸弥教授は12日、横浜市内のバイオ関連のセミナーに出席し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療について「iPS細胞(の利用)は究極の形ではなく、体の中でその人自身の再生能力で再生するという流れに変わると思う。iPS細胞は過渡的なものだ」と話した。ノーベル賞については、高コレステロール治療薬を発見した東京農工大の遠藤章特別栄誉教授が選ばれると予想していたと明かした。iPS細胞は「結局、何でできるかもまだ分かっていない。出来方はそんなに単純ではないのではないか」と述べ、さらなる基礎研究が必要だと強調。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012101202000100.html 
(東京新聞 2012年10月12日) 「iPS治験」病院が否定 「審査委承認の事実ない」
(ポイント)人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った初めての臨床応用を行ったとの森口尚史氏の説明に対し、治療を実施したとされた米マサチューセッツ総合病院の広報担当者は十一日、共同通信の取材に「病院や(関連する)ハーバード大の内部審査委員会が治験を承認したとの事実はない」と否定した。またハーバード大は、森口氏が一九九九年十一月末~二〇〇〇年初めにかけ一カ月ほど在籍したが、その後の関わりはないとしている。森口氏は客員講師を務めていると話していた。森口氏はロックフェラー大で開かれているトランスレーショナル幹細胞学会で治療の内容をポスターで発表したが、主催するニューヨーク幹細胞財団は「内容に疑義がある」として、ポスターを撤去した。心臓の治療には細胞を大量に用意する必要がある上、移植手術をした後の細胞の異常に対処したりするのが難しく、治療研究の中でも最難関とされ、臨床応用はまだ数年先とみられている。取材に対し、国内の複数の専門家も、森口氏の治療の効果を疑問視する姿勢を見せていた。森口氏は取材に「大学の倫理委員会を通すなど、きちんと手続きを経て研究を進めている。iPS細胞を作る手法が京都大の山中伸弥教授と違うと言われるが、私は私のやり方でやっていて、移植後も問題は生じていない」と説明していた。
  
*3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%A4%9A%E8%83%BD%E6%80%A7%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E
(ポイント)人工多能性幹細胞(Induced pluripotent stem cells)とは、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性 (pluripotency)と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。幹細胞生物学者・山中伸弥率いる京都大学の研究グループによって、マウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から2006年に世界で初めて作られた。

| 教育・研究開発::2012.4~2013.10 | 12:10 AM | comments (x) | trackback (x) |

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